Tu Veux, Tu Veux Pas 2009年03月
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『いのうえ歌舞伎・壊(punk)蜻蛉峠』を観る。

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『ムサシ』を観る。

 上演前からここまで話題を浚った舞台も近年珍しかったと思います。井上ひさしの書きおろしで、藤原竜也が武蔵を、小栗旬が小次郎を演じる。それを演出するのは二人をずっと見つめ続けてきた蜷川さんと聞けば、いち演劇ファンとして胸ときめかせない人がいるでしょうか。


<あらすじ>
 舞台は巌流島の決闘の後の話。武蔵の情けによって一命を取り留めた小次郎が諸国放浪のうち、鎌倉の禅寺にいる武蔵の所在を突き止め、三日後に行われる決闘の果たし状を叩きつける。
 武蔵と小次郎、一触即発のところに、居合わせた宝蓮寺の住職・平心(大石綱太)、沢庵和尚(辻萬長)、将軍家剣術指南役・柳生宗矩(吉田鋼太郎)、寺の大檀家である鎌倉大町の筆屋の若女主・乙女(鈴木杏)と材木問屋の楽隠居・舞(白石加代子)達があの手この手で決闘を思いとどまらせようと画策する。
 実は、彼らは成仏できずにこの世を彷徨っている幽霊で、果し合いを控えた二人に命の尊さを伝えるために一芝居打っていたのだった。幽霊たちに説得され、戦うことを止めた武蔵と小次郎。剣を捨てた二人はそれぞれの道へと旅立っていく。


 結論から言えば、残念さと歯がゆさを感じた作品でした。
 35歳の武蔵と29歳の小次郎という設定にするならば、あと十年後の二人で観てみたかった。今の、この年齢の二人にしかできない、若さ故の爆発的なエネルギーを孕んだ関係性をみてみたかった。例えば、どうしても武蔵を越すことができずに苦悩する小次郎や、ライバルを失った後の空虚な気持ちを抱えながら、けれどあの時生かしておいた小次郎がいつか自分の元にやってくるかもしれない期待を僅かに抱いている武蔵とか…そういう生々しい傷跡を持つ二人の内面部分を、もっと見たかったのです。
 宛書なんですよね? 宿命のライバル・武蔵と小次郎なんですよね!? それがどうしてこんなに人生を達観したような芝居になってしまったのか。これじゃそれこそ「悟り」ですよ。ご隠居物語です。


 もちろん「巌流島の戦いの後、敗者の謗りを受け、屈辱の中から再び立ち上がり、幾千日もの間厳しい鍛錬を積んで武蔵の前に再び現れた」小次郎は、2003年に『ハムレット』で藤原竜也と競演し、圧倒的な演技力の差を見せつけられ、以来努力を重ねてきた小栗旬の姿に見事重なります。
 一方、小次郎に最期の一太刀を浴びせず、命永らえさせ、常に優位な立場で今回の果し合いを見据え、最後に物語のからくりを見抜くだけの冷静さと余裕を持つ武蔵も、まんま小栗旬に対する藤原竜也の立場に重なります。
 そういった意味での宛書はできているのですが…なんというかこう、ストレートな言い方をすれば、俳優としての技術力のぶつかり合いみたいなものをもっと目に見えるかたちで観てみたかったのです。周りを白石・吉田・辻・大石という大変なる芸達者で囲んだからこそ、主演の二人にはもっともっと暴れて欲しかった。


 その、脇を固める俳優陣。
 井上組・辻さんのどっしりとしたゆるぎない存在感。蜷川組・白石さんの能『蛸』や鋼太郎さんの謡もさすがの出来栄えでしたが、個人的には恨みの鎖を断ち切る際の杏ちゃんの一途さ、ひたむきさと、『道元の冒険』に続いてお坊さん役を演じられた大石さんの際立った名バイプレーヤーぶりが素晴らしく良かったです。あの笑顔とキレのいい台詞回しに感じ入りました。


 ああ…これだけの役者を揃えて「幽霊(夢)オチ」というのが尚の事惜しい…。惜しすぎる。同じ井上作品でも『薮原検校』『道元の冒険』(両方観劇しました)に比べてあっさりと分かりやすくし過ぎているのが、非常に物足りない。そして笑いの部分でもこの二作品と同じような類のものが多く、私にとっては既知であるが故に面白みに少し欠けてしまったような気も。それにしてもこんなにライトな『ムサシ』になっていたとは、想像だにもしませんでしたが…。


 竜也さんはお顔立ちのせいで、どうしても35歳には見えずでしたが、武蔵の持つ天才的な剣のひらめきを十分に感じさせる佇まいでした。ただ、やはりあの脚本では彼のよさを生かしきれていない、勿体無さを感じざるを得なかった。
 小栗さんは、いつも書いていますがやはり彼特有の育ちの良さが「皇位継承順位・18位」にうまく繋がり、立ち姿も美々しくすっきりとしていました。けれど「何が何でも武蔵を負かしてやる」という、命を賭しての憎しみを感じられなかった。『カリギュラ』の時よりだいぶ角が取れてしまったかのよう。あとは個人的な事情ですが、4列目のサイドブロックにいたので、武蔵と小次郎、二人の表情を見比べたい時に、長い前髪が小栗さんの横顔を完全に覆い隠してしまっていたのが残念でした。
 ハードの面では能舞台に模したセットと、蜷川演出にしては珍しく、場面転換の際にゆっくりと動く竹林の梢の揺れを美しく感じました。


 もしもっと早くに脚本が出来上がっていたら、もっともっと違う作品になっていたのかと思うと残念でたまらないし、大阪でどう仕上がってくるか観たかった気もいたします。
 でも、もし今の藤原竜也さんと小栗旬さんならば、二人の役者魂の鬩ぎ合いで舞台全体に青白い火花が散るような、もっともっと強烈でセンセーショナルな作品を観てみたかったです。
 要するに、「この脚本家・演出家・主演・共演者を以ってすればもっともっといい作品が作れるはずなのに…!と歯がゆい思いを抱え」つつ、「あと十年後に同じキャストか、または今まったく別のキャストで上演したらもっと面白くなっていたかも」と感じているのが、今の私の正直な気持ちです。期待が大きすぎた分、尚更ですね。


 与野からの長い長い帰り道、もっと今のふたりに似つかわしい作品は無いものかと、同行したサマンサ嬢と話し合ってきました。
私なら『二人の貴公子』が見たかったかな。
サマンサ嬢は『カラマーゾフの兄弟』が観たかったそうです。
そう、愛蔵渦巻く義兄弟ものとか、そういうのが観たかった…!

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タテルヨシノ 春の息吹

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蜉蝣峠

Je t'aime...moi non plus-090327_193337.JPG
『蜉蝣峠』観てきました。
はっきり言って、クドカンにしてはかなり駄作の部類に入ると思いますが、それ以上に堤さんの着流し姿&脚と黒髪と殺陣、そして勝地くんのかわゆらしさが補って余りあるくらい良かった。禿げ萌えました(*´д`*)

詳しい感想はまた!このエントリーをはてなブックマークに追加

まにゅ近影(09年3月末)

今年も、狂犬病予防接種の案内がとどきました。


Je t’aime...moi non plus


まにゅ・・・


めす・・・


ぜんぶひらがなでかわいい(*´∀`*)


我ながら、ぴったりすぎる名前付けたわーほんとに。
「あんり」にしなくて良かった。
まにゅって名前、本当にかわいいし、まにゅの性格・姿態にぴったりだと自負しています。


ちなみに生息地を書く欄には、えんぴつで「こたつ」と書いておきました。
うちの両親がいつ気づくかな…w


----------

ホワイトデーに、うちの弟が作ったかぼちゃプリンを虎視眈々と狙うまにゅさん…


ガン見ですw

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くんくん

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